【社会人編】おすすめの村上春樹作品 3選 | 名言の宝庫です

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マニアが紹介するおすすめの村上春樹作品。今回は、中学生編です!

 

社会人だし、有名な作者の文学作品は読んでおきたいな…。

通勤時間に本を読みたいな…。

そんな方々におすすめな小説家が村上春樹。日本を代表する作家で、世界的に有名です。

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村上春樹作品の特徴

 しかし、「村上春樹を読もう!」と言ったって、作品数が多すぎて、何から読めば良いのかわからないですよね。以下の2点の基準で筆者が選びました。

  • 読みやすさ(すぐ読み終えられる)

それまでの日本文学は難解な言葉選びが普通でした。しかし、彼の作品は比較的平易な言葉を使っています。忙しい社会人でも読めるような作品をご紹介します

  • 主人公が社会人

村上春樹の有名な作品は、大学生のような若者が主人公の場合が多いです。

社会人向けに、主人公の年齢が比較的高め(30歳以上)な作品をご紹介します。

『国境の南、太陽の西』

 

〜あらすじ〜
小学生時代、一人っ子だった「僕」は「島本さん」と親密になるが、彼女の転校により2人は疎遠になってしまう。高校時代、僕は「イズミ」という子と付き合いながらも、「イズミの従妹」と肉体関係を持つことで、イズミを徹底的に損なったまま別れてしまう。30才になり、「有紀子」という女性と結婚し子どももできる。ビジネス的にも成功をし、何もかも満ち足りたい生活になった頃、美しい大人の女性となった島本さんに再会する。

 一言で言えば、不倫小説です。そんな意味で学生というより社会人にオススメです。

主人公はいつも孤独です。学生時代も妻子を持った今も。全てに満ち足りたかに思う生活でも、その退屈な日常から抜け出せるような刺激を求めてしまいます。島本さんという心の奥底でずっと恋心を抱いていた幼馴染みです。

 

主人公がどんどん汚い世界に入っていき、悪に魅了され苦しみます。後半部分から結末は本当に圧巻です。読み終えた後、このタイトルの意味も理解できるはず。

「結局のところ僕はどこにもたどり着かなかったんだと思う。僕はどこまで行っても僕でしかなかった。僕が抱えていた欠落は、どこまでいってもあいかわらず同じ欠落でしかなかった。どれだけまわりの風景が変化しても、人々の語りかける声の響きがどれだか変化しても、僕は1人の不完全な人間にしか過ぎなかった。僕の中にはどこまでも同じ欠落があって、その欠落は僕に激しい飢えと渇きをもたらしたんだ。」

[村上春樹 『国境の南、太陽の西』 1995 P291~]

 

余談ですが、私はこの小説を読むたびに、サザンオールスターズの『 LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜』を思い出します。作中には湘南が出てきますし。これらは作者の実体験からなんでしょうか?不倫=社会的な死を意味する近年では作品にするのは到底難しいですね。
作品内に出てくる音楽は「プリテンド」や「スタークロスト・ラヴァーズ」なんてものです。とてもいい曲たちです。

過去の自分を捨てきれず、今の環境を捨て、島村さんだけを求めた主人公。大人になった女性に対しての葛藤は全社会人必見です。

『ダンス・ダンス・ダンス』

 

〜あらすじ〜
1983年3月、僕は「いるかホテル」でキキと会うために札幌に行く。しかし、古びたホテルだったはずの「いるかホテル」は26階建ての巨大な一流ホテルへと変わっていた。そして映画館で、スクリーンの中に同級生の五反田くんとキキが愛し合っているのを見る。「いるかホテル」の一室で羊男と再会し、受付の女と親しくなり、母親からホテルに取り残されたユキと出会う。
奇妙で複雑なダンスステップを踏みながら「僕」は暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。

 

 この小説は高度資本主義社会への批判とそれによる孤独感がテーマです。

主人公は34歳。与えられた仕事を淡々とこなすだけの日々。高度経済成長期の中で物質的に豊かになったが、精神的には満たされていない人々。『風の歌を聴け』のような古き良き時代という感じはなく、画一化してしまった社会を生きている。

そんな中で僕は様々な女性と会い、僕を取り巻く様々な人が死んでいきます。

「でも踊るしかないんだよ」と羊男は続けた。
「それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。ーーだから踊るんだよ。音楽の続く限り」

 [村上春樹 『ダンス・ダンス・ダンス』 2004 P183]

様々な謎を解き明かすミステリー的な要素もあり、どんどんと読めてしまいます。34歳の心情や悩みなど社会人なら共感できる箇所が多々あります。高度資本主義社会に疲れた人々に必見です。

 ちなみに、村上作品は処女作から『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』と3部作がシリーズ化しておりました。そしてこの『ダンス・ダンス・ダンス』は4部作目として、つまり「鼠三部作」の続編でもあるのです。と言ってもキャラクターが同じと言うだけで、内容は独立しております。社会人の方が読むとしたら断然この作品をお勧めします。

『アフターダーク』

 

〜あらすじ〜
時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。
フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。
そして、同じ時刻、ある視線が。もう一人の若い女性をとらえる。

 ある日の都会の深夜を俯瞰的な視点から観察する、という作品。様々な人と人が出会い、事件が起きます。真夜中とは、いつもとは違う別世界のようなもので固有の時間の流れがある。夜の街の静けさや孤独さが描かれています。

深夜のファミレスの雰囲気、私はとても好きです。そこでの異質な「ボーイ・ミーツ・ガール」は興味をそそられます。村上春樹の作品で、一番「村上春樹らしさ」のない、いわば実験的な作品だと思います。この作品、文字が少し大きく、話自体もとても読みやすいです。そして、謎が解明されないまま終わってしまう部分があるため、深い考察ができるようになっています。平易な文章で深い考察が得られる。忙しい社会人にぴったりです。

分量の比較(ページ数)

『アフターダーク』(294)<『国境の南、太陽の西』(299)<『ダンス・ダンス・ダンス』(823)

 

となっております。
全て講談社文庫からの出版です。『アフターダーク』は文字が大きく行間が少し広いので読みやすいです。忙しい社会人の方にオススメです。個人的にイチ押しは『国境の南、太陽の西』です。早く続きを読みたすぎて、半日で読みました。『ダンス・ダンス・ダンス』は初期三部作と登場人物が重なっているので、興味が出たらそちらも読んで見てください。

 

 

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